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金環食観測成功のためのポイント
全国的に見える日食とはいえ、何の準備も無しに当日を迎えてしまえば折角のチャンスも無駄になるというもの。金環食前日までに押さえておきたいポイントを、いくつかかいつまんでご紹介いたします!
- 少しでも「中心食線」の近くへ!
- 当日は早起きを。天候に合わせ大移動のつもりで。
- 観測グッズは今すぐ買ってしまおう!
- ほぼ完全に東の空が開けた場所を前日までに探しておこう!
- トイレに日焼けに虫さされ・・・アウトドア目線での準備を
- 観測会に申し込んだからOK…の油断は禁物
1.少しでも「中心食線」の近くへ!
今回の日食では金環食帯(下の地図でオレンジ色の線に囲まれた範囲)にさえ入っていればリング状の太陽を見ることができますが、南北それぞれ150kmもの幅があり、見え方は場所によって様々です。リングの継続時間が5分以上にもなり、日食の最大時に厚みが均等な真円のリングが楽しめる場所もあれば、わずかな時間だけ片方が切れかかった偏ったリングしか見られない場所もあります。
もしどうしても真円のリングが見たければ「中心食線」=金環食帯の中心線付近のエリアで観測する必要があります。
地図上の赤い線が今回の日食の中心食線で、九州南岸沖、紀伊半島南部、静岡南岸、箱根、湘南、東葛、霞ヶ浦、鹿嶋を中心食線が通過します。政令都市だと静岡・横浜・川崎・東京が当てはまり、浜松・千葉などもすぐ側を通ります。金環食の継続時間は5分にもなります。
また、金環食帯の限界線(地図上でオレンジ色の線)と中心食線の中間付近となる鹿児島市、宮崎市、津市、甲府市、水戸市などでも、真円にこそなりませんが、比較的偏りの少ないリングを見ることができます。金環食の継続時間も4分程度と長めです。
一方、神戸や京都など、金環食帯の限界線付近の都市では、偏りの大きいリングにしかならず、金環食の継続時間も短くなります。こうした場所にお住まいの方は、10kmでも、5kmでも、それこそ1kmでも構いません。どうせ外縁部だからと諦めてしまわずに、少しでも中心食線に近いところでの観測を計画して下さい。外縁部になればなるほど、ほんのわずか1kmの差が、リングの見え方や金環状態の継続時間に大きな違いを生みます。
なお、本当に限界線すれすれの地点で観測する場合には、予想図の計算誤差のことも考えなければなりません。国立天文台、NASA、その他様々な機関・団体が予想を出していますが、それぞれ数kmの差があります。当サイトの予想図はその中でも平均的な値となっていますが、実際の位置とは1~2kmほどのズレがあるものと思います。また、ピッタリ限界線上にいても太陽はリング状に見えませんので、最低でも予想の限界線より2~3kmほど内側、出来れば10kmほど内側で観測した方が無難です。
各地の詳しい見え方は各地の見え方・観測会のページでご確認下さい。
2.当日は早起きを。天候に合わせ大移動のつもりで。
せっかくの金環食も曇っていれば見ることができません。皆既日食のように空が真っ暗にはなりませんので、いつもと変わり映えのない普通の朝になってしまいます。
しかし今回の金環食の開始は7時半頃なので、始発に飛び乗れば公共の交通機関でも若干の移動が可能です。例えば東京駅を起点に考えると、在来線でも東は日立、西は御殿場、南は三浦半島および房総の君津・金谷付近まで、北は前橋・宇都宮あたりまで移動できます。
また、金環食が終了してから会社や学校の始業時間まで1時間くらいの余裕があるので、多少遠くに出かけても会社や学校に遅刻せず出勤・通学できる望みがあります。なるべく早起きをして、曇天脱出を計りましょう。
もちろん、お仕事や学校を無理なく休める方は、天気予報次第で前日のうちに国内を大移動出来るような準備をしておきましょう。5月末は沖縄を除いて梅雨入り前ですから、どこかに晴れの地域はあるはずです。
3.観測グッズは今すぐ買ってしまおう!
金環食は皆既日食とは異なり、日食グラスなどの観測グッズがないと見ることができません。当日は朝ですし、2009年の皆既日食での例から考えると数日前には観測グッズが市場から消えてしまう恐れもあります。当日の入手は難しいものと予想されますので、なるべく早めに必要な分を確保しておきましょう。
2012年1月現在、日食グラスなどは既に底値になっていますので、この文章を読んだ時点ですぐに買ってしまうのがベストです。6月6日にはよりレアな天文現象である金星の日面通過もあります。また、日食グラスでも見える大きな黒点が、数年に数回は現れます。万一天候の問題で日食が見られなかったとしても、決して無駄にはなりません。
もちろん、買い占めをして直前にネットオークションで高値転売するなどの行為は絶対に止めて下さい。買い占められた分だけ安全な道具を手にできる子供が減ることになりますし、当日までに届かないトラブルも発生します。
また、通販で買うときには、粗悪品にも注意してください。大手の日食グラスと同じ形状をしながら、黒いプラスチック板がはまっただけの“殆ど何も見えない偽物”を買ってしまったという報告も寄せられています。くれぐれも安さだけに気を取られず、他のユーザーの評価が高い製品・ショップを選びましょう。
そして、観測グッズを購入したら、必ず一度は“練習”しておいて下さい。当日になって不良品や粗悪品に気づいても手遅れですし、望遠鏡などは初心者のうちは操作が思うようにいかないものです。
観測グッズについて詳しくは観測グッズと選び方のページもご参考下さい。
4.ほぼ完全に東の空が開けた場所を前日までに探しておこう!
今回の日食は最大食が朝7時半頃ということもあり、太陽がそれほど高くまで昇りません。最大食時の太陽高度は鹿児島近辺で25度程度、関東近辺でも35度程度なので、ほぼ完全に東の空が開けた場所で観測する必要があります。都心や山岳地帯、森林地帯などでは、太陽が物陰に隠れてしまう場所が多いと思われますし、特に都市部では、人に迷惑をかけないで観測できる場所も限られています。当日になってからの場所探しはあっという間に時間が過ぎますので、前日までに実際に歩き回って場所の目星を付けておいた方が良いでしょう。当日遠征組も都心で観測する場合は広い公園など人が少ない公共スペースを利用するつもりで計画を立てておいて下さい。観測会など大勢で観測する場合はその場所の占有許可を取っておく必要があることもお忘れ無く。
5.トイレに日焼けに虫さされ・・・アウトドア目線での準備を
今回の日食は、金環食だけなら長くても5分程度ですが、部分食の開始から終わりまでだと実に2時間半もの長丁場となります。どれほど見晴らしが良い場所でも、トイレが無いところは観測に不向きです。また、途中で体調を崩さないよう、飲み物、椅子、日傘/日除け、日焼け止め、虫除けなど…たとえ都心で観測する場合でもアウトドア目線での準備を心がけて下さい。
6.観測会に申し込んだからOK…の油断は禁物
「観測会に申し込んだから何も用意しなくても大丈夫でしょう?」・・・いいえ、残念ながらそうとも言えません。天文台など専門的な組織・団体が主催する日食観測会でさえ、用意している望遠鏡や観測グッズには限りがあるものですし、望遠鏡での投影がCCD+TVモニターだけと味気ないものになるケースも珍しくありません。ましてや今回は、イベントの開催経験が無い団体や、スタッフの中にアマチュア天文ファンさえいない団体が開催する観測会も多いものと予想されますので、全てのイベントに至れり尽くせりを期待するのは無理があります。観測会は大勢で集うこと自体を楽しむものと考え、日食グラスの準備くらいは自分でしておきましょう。
以上、まだまだ追加して参ります!!


